患者さんからよくお寄せいただくご質問Q&A

インプラントについて患者さんからよくある質問についてまとめました。インプラント治療について疑問を残すことなく治療に臨んで頂けるよう、日々の診療の中でも、分からないことはどんなことでも遠慮なくスタッフにお尋ねください。

Q1.インプラントは誰でも受けられますか?高齢者でも大丈夫?

条件が満たされれば、誰でも可能です

インプラント治療の可否については「全身的な問題」と「局所的(主にお口の中)の問題」の両方から判断していきます。

全身的な問題では、重度の糖尿病や肝臓疾患、心臓疾患、血液疾患などを有する方は慎重にならざるを得ません。また骨粗しょう症の方で治療薬(ビスフォスホネート系)を服用中の方も考慮が必要です。薬物やアルコール中毒の方、ヘビースモーカーの方も治療の予後を左右するためお断りする場合もあります。

局所的な問題では、歯周病のコントロールがされていない方、顎の骨が吸収され極端に少なくなってしまった方、強い歯ぎしりがある方、反対側の歯との間にかみ合うスペースがない方、極端に歯並びが悪くかみ合わせにも問題のある方などは、考慮の上、時には徹底した前処置が必要となるかもしれません。

しかし、現在インプラントの治療技術は進化し骨の少ない方でもインプラントを埋入することが出来るようになりました。また、条件が満たされれば、高齢者でも安全に手術やその後の処置を受けて頂けます。実際に当クリニックでも70代や80代でインプラント治療を受け安定した予後の経過がみられるかたもおられます。

Q2.手術中は痛いですか?手術後はどうですか? とても怖いのですが…

術中の痛みは感じることはありませんが、どうしても不安な方は、オプションのリラックス麻酔もご用意しております

インプラントの手術時には歯を抜いたり、神経をとったりするときに使うのと同じ注射の局所麻酔剤を使います。もちろん充分な麻酔下で行いますから痛みを感じることはありません。痛覚は麻痺していても振動やひびく感じは残ります。しかしそれはいわゆる「痛い!」という感覚とは違いますので安心してよいかと思います。

手術後は麻酔が切れた時に多少の痛みや腫れが起こることはありますが、処方された痛み止めを用いることによって解決できる程度の方が多いようです。

手術に対する恐怖心がどうしてもぬぐえない方は静脈内鎮静法(リラックス麻酔)により、よりリラックスして手術を受けて頂くことが出来ます。

Q3.「手術後に顎に麻痺が出た」という記事を雑誌で読んだ事があり、不安になりました。

事前の徹底した検査と診査・診断を行っております

インプラントに関わらず、どのような手術にも必ず予測しえない不測の事態が起こりうることは想定しなければなりません。しかしリスクやヒューマンエラーを回避するためには、やはり事前の徹底した検査と診査・診断が必要です。

下顎や唇に麻痺が起こるのは、顎の中を通っている神経を傷つけてしまった場合などに起こりますが、そうならないように当クリニックでは手術前の各種レントゲン診査(デンタル・パノラマ・CTスキャン)を行い細部にわたる血管や神経の位置、骨の状態などを確認します。

そして、コンピューターによる正確な手術前シミュレーションを行い、さらにコンピューター上でシミュレートされた位置に正確にインプラントを埋入するための外科用のマーカーも作ります。

このように、エラーを防ぐための転ばぬ先の杖を何重も施し手術に臨んで頂きたいと思います。そして、決して「無理のある手術はやらない」という英断もエラーを防ぐ大切な要素かもしれません。

Q4.顎にインプラントを入れたいと思ったら「顎の骨が薄くて手術ができない」と言われました。何か方法はないのですか?

骨を再生できる場合があります

上顎には「上顎洞」呼ばれる「副鼻腔」の一つである空洞が存在します。この上顎洞は歯が抜けてなくなると下方に拡大し、それに伴って上顎の骨は吸収されて薄くなります。通常であれば10㎜以上の骨が存在していることが理想ですが、歯を失った後は5~6㎜、さらにはもっと薄い骨になってしまうこともあります。ここにインプラントを埋入するのにはどうしても骨の厚みが足りなくなります。

そのような場合にはソケットリフトやサイナスリフト等の骨造成治療といった方法で上顎洞をリフトアップして骨を再生する手術を行います。

それによりインプラントを埋入するのに充分な骨の厚みを獲得することが出来ます。サイナスリフトは安全性の認められた手術ですが、熟練したテクニックも必要となりますので、かかりつけの歯科医師と十分なコンセンサスを得る事が大切です。

Q5.インプラント治療が終わるまでにはどれくらいの日数がかかりますか?

4か月~1年の期間をみて頂ければよいでしょう

インプラントを埋入する部分の状態(骨の硬さ、量、形態)や埋入する場所、そしてその方の口腔内全体の状況によっても異なりますが、通常インプラントを埋め込む手術をしてから4か月~1年の期間をみて頂ければよいでしょう。

最近では「インプラントを入れたその日から噛めるようになる!」などと謳った広告等も見かけますが、インプラントは体に埋め込まれた、言わば「人工の臓器」のようなものです。しっかりと生体となじみ、きちんと機能し、長く使い続けられることが何よりも大切です。

インプラント体と顎の骨がしっかりと骨結合するまでには、やはりある一定の期間が必要です。事を急いで問題が生じる事のないよう、その後の生涯のうちのわずかな期間であると考え慎重を期したいものです。

Q6.手術後はどのように生活すればよいですか?食事はしても大丈夫ですか?

手術直後は負担をかけないように。骨と結合後は普段通りの生活で大丈夫です。

顎の骨に埋入された直後のインプラントは非常にデリケートです。手や足を骨折した直後と考えてください。手や足もギブスなどで動かないようにしっかりと固定するのと同様に顎の骨に埋入されたインプラントには力や負担をかけないことが大切です。

そして、お口の中を清潔にして感染に注意して頂くこともインプラントがしっかりと骨と結合するために重要なことです。手術当日は麻酔の効果や多少の腫れなどからお食事がしにくいかと思いますが、手術部位と反対側の歯で噛んで頂くか、なるべくやわらかい物、スープなどで栄養はしっかりと摂取して下さい。激しい運動などを除けば、日常生活は普段通りで特に問題ありません。

Q7.金属アレルギーがありますが、インプラント治療をしても大丈夫ですか?

心配な方は、チタンの金属アレルギー検査を

現在日本で使用されているインプラントのほとんどはチタンでできています。チタンは生体との親和性が良く、アレルギーを起こしにくい材料です。しかし、重度の金属アレルギーの既往のある方や心配な方は、一度金属アレルギー検査でチタンに対するアレルギー反応を調べてみることをおすすめします。

Q8.インプラントの寿命はどれくらいですか?

一般的には10年残存率は現在90%です

「インプラントの寿命」と、ひとくくりにするのは、口腔ケアやメンテナンスの状況、埋入されたインプラントの長さや形態、その人の骨量、咬み合せの状態などでだいぶ個人差があり難しいとは思いますが、一般的には10年残存率は現在90%を超えているようです。

しかし、きちんと機能した状態で残っている物は70%くらいといったところでしょうか。いずれにしても、治療後にもきちんとメンテナンスをうけること、日々のケアをしっかりすること、禁煙する事、丈夫な骨を維持するために栄養や適度な運動を心がけることなどでインプラントが長持ちすることは間違いありません。

そして、入れ歯やブリッジを装着した歯に比べればその残存率は比較にならないでしょう。インプラント寿命を長持ちさせるためにもぜひ定期メンテナンスをしっかりと受けて頂きたいと思います。

Q9.インプラントがダメになったらやりかえることはできますか?

再治療は可能ですが、インプラント周囲炎の場合は再治療が複雑になるケースも

インプラント周囲炎

インプラントは骨と結合しているフィクスチャーとよばれる、いわゆる「インプラント体」とインプラントと人工歯を接続するアバットメント、そして歯冠部の被せ物から構成されます。上部構造とよばれる被せ物やアバットメントなどが何らかの理由で壊れてしまった場合などには天然歯の被せ物や土台などと同様に作りかえが可能です。

しかし、インプラント周囲の歯肉の溝から細菌が侵入し徐々に炎症が拡大すると歯周病と同様の症状を呈する「インプラント周囲炎」が起こった場合は少し面倒です。歯肉の腫れや痛みがみられるようになり、やがて炎症が周囲の骨に及ぶようになればインプラントと骨の結合は断たれ、天然歯同様インプラントもグラつくようになります。

インプラントが維持されることが困難な状況にまで重症化した場合にはインプラの再手術を行う場合もあります。しかし、そこまで、症状が進行しないように、定期メンテナンスでしっかりと炎症のコントロールをしていけば、10年、20年、30年と長期にわたってインプラントを使用して頂けることは十分に可能です。

Q10.インプラント治療に保障期間などはありますか?

保証機関「ガイドデント」から認定を受けています

当クリニックは定められた資格条件に基づき、引き受け保障会社である「ガイドデント」の認定を受けています。ガイドデントが認定した歯科医師によってインプラント治療が完了した時点で、患者様に任意で保証契約をしていただくことができます。

これにより「インプラント10年保証書」が発行され、定められた条件下であれば保証限度額までインプラントの再手術、上部構造の再製作などの治療を無償で受けることが出来ます。このようなケースは非常に稀ではありますが、万一の場合に備えて保障制度があることで、確かな安心をお届けできるかと思います

ただし、定期メンテナンスに応じて頂けない、治療に協力的でない患者さんに対しては保証の対象外とさせて頂きます。クリニックと患者さんの双方が協力し合い良好な治療結果と、長期安定した理想的な術後環境を前提に成り立つ保証と考えて下さい。

Q11.私は歯ぎしりがひどいのですが、インプラント治療をしても大丈夫でしょうか?

ナイトガード等の対策が必要な場合があります

インプラントは縦の力には非常に強いのですが、歯ぎしりのように横に動かされる力が強くかかった場合などには破損してしまう恐れがあります。歯ぎしりがあまりひどいような場合には、就寝時にナイトガードを装着して頂ければ良いかと思います。

Q12.インプラントとさし歯の違いって何ですか?また入れ歯とはどう違うのですか?

ご自身の歯の根っこが残っているのが差し歯です

インプラントとさし歯の違い

皆さんが「さし歯」と一般的におっしゃられるものは、図のように天然歯の根っこがなんとか残っている場合に、そこに土台(コアー)をさして人工歯を被せるものだと思います。それに比してインプラントは、歯の根っこも残っていない場合にインプラント体を歯槽骨に埋め込むことによって、歯根から作っていくものです。

また、「入れ歯」はいわゆる取り外し式のバネのかかったもので、欠損した部分の両横や反対側の残った歯にバネをかけて維持するものです。

インプラントは前述のよう歯の欠損部の歯槽骨にインプラントを埋め込み人工歯を作るもので固定式です。

つまり、歯の根っこだけでも残っていればいわゆる「さし歯」にすることも可能ですが、インプラントとは、歯が根っこからなくなってしまった時の処置と考えて下さい。

その場合、従来であれば両サイドの歯を大きく削ってブリッジを被せたり、取り外し式の「入れ歯」を入れるしかなかったのですが、インプラントにすることによって、根っこごと歯を失った場合でも歯根から歯を再生できるというわけです。

Q13.インプラントの無料相談は受けられますか?

無料相談の御予約を受け付けております

もちろんです。ご相談はお時間をお約束頂いて承ります。また、当クリニックでは定期的にインプラントに関する無料セミナーも開催しています。スライドを使ってインプラントに関するあれこれをわかりやすくご説明させて頂きます。ぜひお気軽にご参加ください。

Q14.インプラント治療の費用はどれくらいかかりますか?また支払方法はどのような方法がありますか?

その方のケースにもよりますが、1本35万円くらいです

インプラント治療は保険適用外(自費)の治療になります。医院によって「インプラント1本の包括的な値段」を設定しているところや検査費や手術費、被せ物などで分けて提示しているところなどがあると思います。詳しくは「プライスリスト」をご参照下さい。

当クリニックでは、手術費(インプラント埋入手術)が20万円で、インプラント上部に装着するアバットメントと人工歯が約10万円程度(材料により価格は変わります)ですので、合わせて約30万円と考えて頂ければと思います。また、事前の検査費用や外科用ガイドの製作費が数万円となりますので、インプラント1本の治療費は35万円くらいでしょうか?

インプラントの種類は現在様々なものがありますが、当クリニックでは品質や長期的予後の安定に対し信頼性の高いドイツやEU諸国で高いシェアを誇るカムログ社・ストローマン社の製品を使用しています。また、被せ物に関しても、口腔内の状態や患者さんのご希望を伺いながら、ご提案させて頂きます。

お支払いに関しては、院内のデンタルローンや各種クレジットカード決済がご利用いただけますので詳しくはフロントにお尋ねください。

Q15.将来、もし寝たきりになってしまった時にインプラントをきちんとケアできるかどうか心配です。ふつうの歯磨きと同じでよいのでしょうか?

介護者にケア方法のご指導、専門歯科衛生士による訪問ケアも承ります

この心配をされる方は多いようです。インプラントのご家庭でのケアは通常自分の歯を磨くのと同じと考えて頂いてよいかと思います。できれば自分の歯にも使うように糸ようじや歯間ブラシなどの補助器具を使っていただければ尚、良いでしょう。

もし寝たきりになってしまった場合でも介護者にケアの方法はご指導させて頂きますし、十分にできる範囲のことかと思います。また、当クリニックでは専門の歯科衛生士による訪問口腔ケアも承ります。定期メンテナンスにいらっしゃれなくなっても、ぜひ訪問ケアをご利用ください。

不幸にも寝たきりになってしまうことも確かに想定に入れなければならないかもしれませんが、インプラントが適正に機能した場合、しっかり噛める、何でもおいしく食べられるといった点から老化を防止することにつながり寝たきりになる可能性も格段に少なくなるはずです。これもまた、インプラントが全身の健康にもたらす福音のひとつと言えるでしょう。

カムログインプラントシステムについて

カムログインプラントシステム

カムログインプラントシステムは、25年にわたる基盤と臨床研究に基づいてドイツで開発されたシステムです。ヨーロッパ、アメリカ、アジア各国など世界中で多くの患者さんの口腔機能の再建に使用されています。

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なかい歯科クリニック

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