口腔ガン検診

お口の中にも“がん”ができることをご存知でしょうか?

お口にできる“がん”を「口腔(こうくう)がん」と言います。お口は食べる、話す、味わう、そして見た目と人間の尊厳や楽しみの根源にかかわるとても大切な働きと構造が集中しています。

口腔がんができ進行するとこれらを失い、人生の質を大幅に低下させることにもなりかねません。口腔がんから身を守るためにはどうすればよいのでしょう。先ずは正しい知識を持っていただくことが重要です。

最近では往年のアイドルであり女優の堀ちえみさんの報道から「がん検診」を希望する方が増えております。以前にプロデューサーのつんくさんも舌ガンで声帯を失うなどの報道も記憶に新しいかと思います。

当院ではオーラルック等の機器を使用し、口腔がん検診を行っています。口腔がんかと思ったら先ずはご相談ください。

口腔内蛍光観察装置「オーラルック」

オーラルック

オーラルック(ORALOOK)は口腔がん・口腔内検診システム機能を装備した機器です。お口に光を当てて観察するだけで、痛みや違和感なく検診が可能です。

オーラルックによる検診時間は約5分間でLEDの光を当てながら、異常がないかを観察をいたします。お口の中の状態をそのまま写真撮影いたします。

年に一度は口腔がん検診を!

ドクターより一言

入れ歯

「先生、入れ歯が当たって口内炎ができちゃって、なかなか治らないんですよ」

そう言って来院された 60代の男性のお口の中を拝診し、一目で「ただの口内炎」ではないと感じました。紹介先の大学病院の歯科口腔外科で「舌がんおよび歯肉がん」の診断をされたその男性は、舌の半分と顎下のリンパそして下顎骨の一部を切除する手術を受けました。

しゃべること、飲み込むこと、もちろん食べること、さらには下の顎の一部が欠損した顔貌の見た目など、手術後には様々な困難を生じ、QOLは著しく下がりました。それでも、前向きにリハビリに取り組み、83歳になった現在も義歯をうまく使い、上手に食事をとり、奥様やご友人と会話を楽しまれています。早期発見により、なんとか命はつながることができたケースです。

しかし、このような方ばかりではありません。働き盛りの40代で舌がんと診断された男性は、仕事が多忙を極め、気づいた時にはかなり進行した状態でした。肺への転移も見つかり、外科手術や放射線治療、抗がん剤による科学的治療を行うも、その甲斐もむなしく、命を落とされました。

口腔がんは増えています

以前は希少がんとされていた「口腔がん」ですが、日本では、およそ7,000人が口腔がんになり、死亡者数も3,000人を超え、右肩上がりで増えています。

死亡者数

▲死亡者数

羅患者数

▲羅患者数

そして、その死亡率はいつの間にか 46%以上と高水準となっています。しかしながら依然として、「口腔がん」の認知度は低く、口内炎と思って来院されたら実は口腔がんだった…という方も少なくありません。

アメリカより2.5倍の致死率の日本!

口腔がんリボン

発見が遅れると外科手術による侵襲も大きくなり、食物の摂取や発音、審美的な面でも大きな障害が残ることになり、生活の質(QOL)がかなり低くなってしまいます。また、日本は口腔がんに患者数は年々増えており、先進国の中で唯一、口腔がんの死亡者数が増加しています。日本の「口腔がん」の死亡率は、全28部位中で「46.1%(第10位)」に位置しています。死亡率は、なんとアメリカ(19.1%)の2.5倍以上です。

しかし、前述のように他部位のがん同様、口腔がんも早期発見さえできれば、決して怖いものではありません。初期に見つかれば、簡単な治療で治り、後遺症もほとんど残らず、5年生存率が90%を上回るとの報告もなされています(通常、がんになるまでには5年~10年はかかります)。

アメリカでは半年に一度の口腔がん検診が実質義務化され、アメリカの歯科医院では、どこでも口腔がん検診をやっています。

最低でも1年に1回、「口腔がん検診」を受診していただき、早期発見・前がん状態での発見につなげ、口腔がんを撲滅するという目標の元、少しでも多くの人が健康で笑顔で過ごせる生活が送れますよう、当院では「口腔がん検診」をおすすめしています。

口腔がんの主な原因

口腔がんの主な原因
  • 生活習慣(喫煙、飲酒等)
  • 歯列不正(歯並びが悪い)、義歯不適(入れ歯が合わない)
  • う蝕(虫歯)・歯周病、詰め物・被せ物不適
  • 舌小帯付着異常(舌の裏の紐のような部分が短い方は要注意)
  • アマルガム(金属の詰め物)
  • 口内炎(10日くらい経過しても治らない場合は要注意)
  • 歯列不正(歯並びが悪い)、義歯不適(入れ歯が合わない)
  • HPV(ウィルス)、など

口腔がんの症状

口腔がんの症状

口腔がんの場合、初期は自覚症状がほとんどありません。痛みがある、食べ物や飲み物がしみる、違和感がある、首のリンパ節が腫れる、なかなか口内炎が治らない、といった症状が出てきたときは、すでにがんが進行している状態です。

目に見える症状として、主に以下のような症状が現れます。

  • 舌や粘膜の変色
  • しこりがある
  • ざらざらした突起・潰瘍
  • 口の中の痛みしびれ感
  • 物が噛みづらい
  • 飲み込みにくい
  • 話しづらい
  • 顎や舌を動かしにくい

口腔がんの種類

舌がん 舌(ベロ)に発症するもの
歯肉がん 上顎より下顎に発症することが多く、奥歯の近くにみられます。
口腔底がん 口腔底は舌の下の部分にあたり、がんは前方に多く発症します。
頬粘膜がん 上下の臼歯の周辺粘膜、口角の後ろなどに発生しやすい。
口蓋がん 上顎に発症するもの
口唇がん 口唇粘膜と皮膚の境目にある皮膚や粘膜部分に発症します。

引用元:口腔がん撲滅委員会「口腔がんの症状」より

口腔がん検診の流れ

問診票の記入

問診票

口腔がんになる要素がどれくらいあるか?生活習慣についてご入力(ご記入)いただきます。

視診・触診・写真撮影

触診

視診:お口の中の異常がないかを目で確認します。
触診:ゴム手袋を付けた指で触り、しこりや盛り上がっているところがないかを調べます。

異常を発見した場合、お口の中の状態を写真撮影します。

オーラルックを使った観察・写真撮影

オーラルック

口腔内蛍光観察装置「オーラルック」でお口の中にLED光を当てて、異常がないかの観察をします。
そのままお口の中の状態も写真撮影します。

報告書を元にカウンセリング

カウンセリング

結果を報告書にまとめ、それを元に口腔内の現状に関しカウンセリングを行います。
口腔内に関し、歯科医師から指摘を受けた場合は、速やかに口腔内の治療や改善を行ってください。

何らかの異常があった場合は…

歯科医師の指示に基づき、治療を開始してください。大学病院等を紹介する場合もあります。

引用元:口腔がん撲滅委員会「口腔がん検診の基本的な流れ」より

口腔がんの早期発見を歯科医院で!

口腔がんの内容についてはいかがでしたか?

大きな病院には足が遠のいても比較的、気軽に受診が可能な歯科医院で検診を受けることができれば、早期発見の率も上がってくると思います。

境町の地域の皆様の健康が、なかい歯科クリニックの何よりの願いであり喜びです。口腔がんに興味がある、気になるという方はお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

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なかい歯科クリニック

0280-87-8825

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ご理解とご協力お願い致します。

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