歯周病を発症・進行させる因子
歯周病を発症・進行させる因子 その1・細菌
歯垢(プラーク)中に潜む細菌は約500種類以上もいると言われますが、その中でも白血球に害を与えたり、毒素を出すなどして歯周病の原因になる代表的な悪玉菌がいます。
歯周病の原因菌であるレッドコンプレックス3菌はBANAPERIOという検査ツールを用いて簡便、迅速に調べることが出来ます。実際に口腔内のプラークから採取した歯周病菌を位相差顕微鏡により、活動性の高い線状菌が良く動き回っている様子を動画でも観察できます。
さらに詳しく菌を特定するための「リアルタイムPCR法」という検査方法もあり、いずれにしてもまずは歯周病原因菌の存在を詳しく調べ、その結果を踏まえて徹底的にこれらの菌を除去していくことこそが歯周病治療の一番かぎです。それには、当たり前のようですが日々の丁寧なブラッシングと口腔ケアがとても大切です。
歯周病を発症・進行させる因子 その2・咬み合せ、歯並び
咬み合せに不具合があったり、歯ぎしり、食いしばりなどで必要以上に歯に力がかかることも歯周病を発症させまた悪化させる原因となります。特に横に力がかかる歯ぎしりは歯周組織へのダメージが大きく歯がグラつく原因になります。夜間の歯ぎしりがある人は「ナイトガード」という装置をつけることでこれがクッションとなり歯の摩耗や動揺を防ぎ歯を守ることができます。
また、歯並びが悪い人も、歯が重なった部分などに磨き残しができやすく歯垢が停滞しやすいことに加え、正常な咬み合せでないため、負担が大きくかかる歯の歯周組織は壊されやすくなり、歯周病を進行させる要因となります。
歯周病を発症・進行させる因子 その3・不良補綴物
クラウンやブリッジ、インレーなど歯に被せたりつめたりするものや取り外し式の入れ歯のように歯がなくなったところに装着して咬合を回復するためのものを「補綴物(ほてつぶつ)」と呼びます。
補綴物の適合が良く清掃しやすいものであればよいのですが、マージン(歯と歯茎の境目)が合っていなかったり、隣り合わせの歯との間が空いてしまっていたりして適合の良くないものが長期にわたって口腔内に入っていると、その不適合部分には物が詰まりやすくなり、清掃性も悪いためプラークが付着しやすく歯周病原性細菌の恰好の繁殖場所となります。
もちろん、歯周病だけでなく虫歯発生の大きな原因にもなります。腐敗性の強い口臭を発すると同時に、歯周病を治りにくくさせる大きな原因のひとつです。
家の大掃除をする時には家具を動かしたりして徹底的にほこりを取り払うように、不良補綴物を除去して原因となっている起炎物質(炎症の原因となっているもの)を取り除くことが肝心です。
不適合なマージンに付着したプラーク
歯周病を発症・進行させる因子 その4・喫煙
タバコは歯周病の発症因子というより歯周病を悪化させ、進行速度を速める最大のリスクファクターです。タバコが全身や口腔内に及ぼす影響は計り知れませんが、そのいくつかとして…
- 一酸化炭素が血中の酸素運搬を阻害し、歯ぐきの血流を悪くすることによって歯周組織の再生がが妨げられる。
- 白血球の働きが弱まり、免疫力が下がることで歯周組織が治りにくくなる。
- タールが歯面に付着した上に歯石が沈着しやすい。
- 唾液の分泌が抑えられ汚れが停滞しやすく、口臭発生の原因となる。
…などがあげられます。
タバコを吸っている方はどんなにブラッシングをしてお口の中をきれいにしても、歯周病が改善しない傾向にあるようです。また、副流煙の有害物質の濃度は主流煙よりもむしろ高いと言われます。
喫煙される方は、ご自身の健康のためにはもちろん、ご家族や周囲の方々の健康を損ない歯周病も悪化させるタバコに、そろそろさよならしてはいかがでしょうか。
※POIC治療・インプラント治療をお受けいただく方には禁煙をお約束いただいております。
歯周病を発症・進行させる因子 その5・全身疾患
糖尿病
糖尿病と歯周病はどちらも生活習慣病であり深い相関関係にあります。
糖尿病は高血糖性の血液になり毛細血管が弱くなると言われます。感染に対する抵抗力もなくなり、血管の再生力も極端に低下するため歯周病に罹りやすく、治りにくいといったことになります。口腔症状としては口が渇きやすく白血球の機能も低下しているため歯周病菌が著しく増殖します。
また、歯周病になると炎症性物質であるTNFαが血中に分泌され、これがインスリンの働きを阻害して血糖値コントロールが出来なくなり高血糖になりやすいと言われています。つまり、歯周病をきちんと治療することで血糖値もコントロールされて改善し、血糖値のコントロールをしっかりとして糖尿病を改善することで歯周病も改善されるというわけです。
もちろん、糖尿病の方は健康な方以上に徹底したブラッシングと口腔ケアが大切になってきます。
骨粗しょう症
骨粗しょう症は骨密度が低下し、骨が脆くなる病気です。歯を支えている歯槽骨も骨密度が低下すれば当然脆くなり、ひとたび歯周病菌に感染すれば骨の破壊は健康な人に比べて進行が速くなります。
歯はグラつくようになり、うまく咀嚼できないためにバランスよく栄養を摂取することが出来ず、さらに骨密度が低下するといった悪循環を招きます。特に骨密度の低下に注意しなければならないのは…
- 閉経後の女性ホルモンが低下した女性や卵巣摘出をした方
- 偏った食事で栄養バランスの悪い方
- 運動不足の方
- ステロイド剤長期使用の方
- 高齢者
…などです。まずは、バランスの良い食事と適度な運動、日光浴を心がけ、特に女性は補助食品やサプリメントなどでできるだけ骨量を増やすことも心がけましょう。
降圧剤や抗てんかん薬を服用されている方
抗てんかん薬(フェニトイン)、免疫抑制剤(シクロスポリンA)、降圧剤(ニフェジピン)等の薬剤は、長期服用で歯肉の増殖を引き起こす事があります。また、多くの薬剤は唾液分泌量を減少させるため、唾液の持つプラーク浄化作用が低下する恐れがあります。
疾患のコントロールを内科の担当医と図るとともに、歯肉増殖部位は、さらに付着しやすくなっているプラークを徹底的に除去するよう丁寧にブラッシングしなければなりません。
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